患者さんからの質問と答え

MISの術式について

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Oさん 51才 女性

私は、8年前から両足とも変形股関節症で治療を受けております。右足の方が進行が早いため、MISによる手術を検討しています。MISの術式として、後ろ外側法と前方(anterolateral)があるようですが、この違いにより手術前の貯血量や入院期間、リハビリ開始時期などに差異がでてくるのでしょうか? あるいは術後の長所、短所はありますでしょうか。
また、貯血でいえば、現在診察していただいている先生は、800cc(後外側法)ということですし、 前法の先生は400ccとのことです。先生は将来的に観て、どちらの方法をお勧めになりますでしょうか。また、右足、左足で術式が違っても、支障はないのでしょうか。もし、今手術しますと、将来的に再手術も念頭に入れる必要があると思われますので、お尋ねするものです。

質問の答え Answer

厳密な意味でのMISは、筋肉や腱を切らず、かつ10cm以内の皮切で行なうものです。ですから、anterolateralとDAAと呼ばれるアプローチがそれです。
一方広い意味でのMISは、皮切が10cm以内であれば、筋腱を切ろうと切るまいと問題にしないという定義になります。前方であろうと、後方であろうと、側方であろうと、進入方法はどれでもかまいません。
どの方法を用いるかは、手術を行う医師が今までに一番得意な方法、慣れ親しんだ方法をとるのが通常ですし、慣れ親しんだ方法で行う方が、成績は良好です。
私自身は、MIS-anterolateral(前方)から行なうことが多いですが、以前、筋腱切離をおこなう広い意味でのMIS側方アプローチと短期成績を比較したことがあります。結果ですが、50~60歳代では、両群間に有意差は見られず、70歳代では、MIS anterolateralの方が、筋肉を傷つけない分、早期回復、在院日数で、良好な結果がでました。すなわち、比較的若い患者さんでは、筋肉がしっかりしているので、筋肉を一部切ろうと切るまいと、早期回復にそんなに影響がないことがわかりました。Oさんは51歳とお若いので、どちらの術式で行なっても、2~3週もあれば十分退院も出来るし、大差は無いでしょう。Oさんが、診察をしていただいて、どちらの先生が自分とウマが会うかどうかではないでしょうか?ちなみに、貯血については、今いろいろ議論があり、必ずしも800ccとった方が良いとも限らない状況です。