患者さんからの質問と答え

大腿骨頭壊死

Mさん

母(55歳)は左足が大腿骨頭壊死と診断され9ヶ月です。
地元で通院しており、先生より様子を見ようということで特に何もせず数ヶ月間杖・車椅子での生活をしておりましたが、先月くらいから今までよりかなり痛むとのことで先日レントゲンを撮ったところ壊死が進行しており、手術するしか方法が無いと言われました。
(『90%以上の人は手術をするものだ』との話だったようですがそのようなものなのでしょうか。)現在は歩行困難な状態で本人は歩けないくらいなら手術をしたいと願っています。

ただ、母は2年前より『特発性間質肺炎』という肺の病気にかかっており
肺の状態も良くは無く、肺が健常者より機能していない為、手術やリハビリに耐えうる身体なのかが分かりません。ステロイドを飲んでおり免疫力も下がっている為感染症・合併症のリスクも高くなっているのでは?と思っております。肺の方の主治医もはっきりとは分からないと話をしていたようです。
こういった他の難病を抱えている場合でも手術は可能でしょうか?

整形の主治医から紹介すると言われた先の病院では、私が調べた限りではMISを行っていないようで、肺の影響等を考慮するとMISの方が身体への負担は軽いのでは?と思っており、もし貴院で手術をお願いしたい場合はどういう段取りを取れば良いのでしょうか。紹介状を書いて頂いて診察(この場合は足についての診察のみになるのでしょうか?)してみてから・・・ということになりますか?手術をお願いする場合は肺の事も考慮しての手術は可能なのでしょうか?

質問の答え Answer

壊死が進行し、骨頭が圧壊してくれば、手術以外に痛みをとる方法はありません。55歳でしたら、通常ならまだまだ元気な年齢ですから、人工関節の手術を勧めるのは、普通だと思います。

間質性肺炎で、かなりステロイドを飲んでいると思われますが、呼吸器の機能の程度によって手術が可能かどうかが決まりますし、全身麻酔であれば、呼吸機能に影響しますので、腰椎麻酔にすれば、手術の負担が減ることが期待されます。

ステロイドの服用量も気になります。1日1錠(5mg)程度であれば、そう気になりませんが、2錠以上飲んでおられる場合は、人工関節の合併症としての感染の確率が上がります。ただ、関節リウマチの方などが、おおく人工関節の適応になることが多いのですが、そういった方々の多くは、大なり小なり間質性肺炎を合併している方がほとんどで、われわれとしては、病気そのものは特にそれほどめずらしいものでもありません。

ただ、麻酔をかけるかけないの最終判断は、麻酔科医師が決めますので、きちんと術前検査を行ったうえで、当院の麻酔科外来受診をする必要があります。

遠方からこられる方には申し訳ありませんが、いろいろ合併症がある方は火曜日、または木曜日の朝8時半までに来てください。すぐに術前検査(胸、股関節レントゲン、血液検査、心電図、呼吸機能検査など)をしていただき、検査が全部でるまで2時間程度かかりますが、それから麻酔科外来にすぐに行っていただいて、手術が可能との判断でしたら、初めて人工関節についての話になります。

壊死の痛みは強いので、早く手術しないと本人は大変です。できるだけ早めに一度来ていただくことをお勧めします。その際に、そちらの内科の先生からの紹介状があると助かります。

また、金銭面ですが、大腿骨頭壊死は国の特定疾患になりますから、手続きをすれば、入院費は無料になります。空いた時間があれば、どこで手術をするにしろ、市役所の福祉課に行って、特定疾患の手続きの紙をもらっておくことが大切です。